Code_Aster

この資料は公開されている英文資料を柴田が学術目的のために非公式に和訳しているものです

Code_Aster:研究開発用の構造力学および熱力学の数値解析システム 公式サイト:http://www.code-aster.org

開発:EDF・フランス電力公社(研究&開発)

Code_Asterの解析機能

Code_Asterは、マルチフジックスの解析手法やモデリング手法に対応したフルセットの機能を提供しています。 このCode_Asterは、熱力学解析プログラムの基本機能を超えるような高度な機能を備えています。 たとえば、地震応答解析をはじめ、多孔質材料における音響解析、機械部品の疲労解析、確率論的な動的解析、などがあります。 これらの解析において、モデリングや解析手法や解析ソルバは、継続的に改良が続けられ、最終的な完成状態では、 120万行のソースコードと200の解析機能を実現しています。 このシステムは強い意志のものでオープンな状態で開発され、様々な関連システムと連携を取りながら統合し、 様々な手段を用いて開発を進めています

■対象挙動

>構造力学  ・静的解析、疑似静的、線形現象やそのほか ・動的解析、線形現象とそのほか(実挙動とモード) ・破壊現象、損傷現象、疲労現象 ・地盤構造、流体構造連成、地盤流体構造の複合連成
>熱力学  ・定常現象、過渡現象、線形現象やそのほか ・固定座標系や移動座標系
>関連する現象  ・音響解析 ・冶金学 ・水和反応と乾燥

■解析形式

・標準的な解析 ・フーリエモードへの分解 ・部分構造による解析 ・マルチスケール問題の重ね合わせ ・条件に適合するメッシュ ・条件に対する感度解析 ・関数近似と最適化 ・力学的信頼性解析

■マルチフィジックス

>熱を伴う材料の挙動  ・水和反応や乾燥現象 ・金属学的挙動
>力を伴う材料の挙動  ・熱現象 ・冶金学 ・水和と乾燥
>連成した材料の挙動  ・発熱と水和との力学現象 ・流体と構造との連成現象 >他の解析システムのとの関連  ・地盤-(流体)-構造の関連挙動(MISS3D)
>他の解析システムとの連携  ・水力学:Code_Saturne ・熱力学:SYRTHES ・電磁気学:Flux2D/3D ・高速動力学:EUROPLEXUS

■荷重設定

>力学的荷重  ・集中荷重や分布荷重 ・圧力 ・慣性力 ・遠心力 ・強制変位 ・残留歪 ・風圧力
>熱学的荷重  ・温度 ・直線流やその他 ・強制対流 ・壁の熱貫流 ・ジュール効果による加熱
>特殊な荷重(追従力、電磁気的荷重、初期状態)

■静的解析や動的解析での非線形性

>幾何学的非線形  ・移動座標系、大変形、大回転 ・追従力 ・増分計算法:変形での弧長増分法、歪での制限値判定 ・除荷とnon-radiality indicator ・接触と摩擦:不連続接触法(有効応力、ペナルティ法、共役勾配法、拡張ラグランジェ法) ・1次座屈
>材料学的非線形(95種の構成則) ・線形弾性と非線形弾性 ・非線形超弾性 ・局所的弾塑性や傾斜変化する弾塑性 ・非線形粘弾性 ・局所的または傾斜変化する損傷 ・粘弾塑性 ・冶金学的効果 ・温度や冶金条件や水和や乾燥や流動に関連した材料特性 ・増分的歪 ・コンクリート材料の水和と収縮とクリープ ・地盤材料

■動的解析

>モード解析  ・減衰または非減衰(粘性、履歴、モード) ・直接解析または部分構造解析 ・正規化、フィルタリング、モードパラメータ
>線形過渡応答  ・直接法 ・モード基準 ・部分構造
>局所的非線形をもつ過渡応答(モード基準)  ・衝撃 ・摩擦 ・流体中の翼
>調和応答  ・直接法 ・モード基準 ・部分構造
>ランダム応答  ・パラメータ分析と確率的な非パラメータ分析 ・統計的処理
>直接非線形応答  ・陰解法 ・陽解法 ・衝撃 ・塑性と損傷 ・接触と摩擦
>部分構造解析  ・標準手法または周期的手法 ・モード分析、過渡解析または調和解析
>地震応答解析  ・衝撃の考慮または多点の支持 ・スペクトルまたは過渡応答の直接線形解析やモード基準での解析 ・モード減衰解析(RCC-G)
>実験結果の補間計算  ・一時的現象と頻発する現象

■相互作用

>構造−流体の連成  ・構造−非圧縮性流れとの連成;乱流応力 ・振動音響(自由表面)
>地盤−構造の連成や地盤−液体−構造の連成  ・吸収性境界条件 ・MISS3Dによる頻度連携

■熱解析

>線形と非線形の熱解析  ・相転移 ・水和と乾燥 ・移動座標系表示
>冶金的変化  ・鋼、ジルコニウム合金 ・相移転硬化解析
>熱処理と溶接

■地盤力学や土木工学

>コンクリートの構成則(補強鉄筋やプレストレス鉄筋)、地盤材料
>水和と乾燥、様々な時間スケールでの基本クリープ現象
>弾塑性挙動における補助的補強またはプレストレス効果:梁、格子、膜
>クリープとクラックの連成
>熱流体力学的分析(多孔質材料、有効応力の定式化、構成則の定式化、など)
>特異な荷重(水素やガスの流れ)
>掘削手法
>構造物における、破砕、損傷、疲労、崩壊
>大域的な放出速度  ・熱弾性係数:G ・熱弾塑性係数:GPとGTP
>3次元における局所的な放出速度
>応力集中係数
>靱性や延性や破砕などのモデル化、これらの初期状態と不安定性
>特異な荷重の作用
>局所的な大域的な損傷
>亀裂のモデル化:接合要素とX-FEM
>分断する損傷
>疲労解析  ・荷重履歴 ・計測方法 ・限界既定の応用
>RCC-M基準の検証
>周期的な荷重におけるZarka-Casire手法
>進行性の摩擦
>極限解析
>多重結晶構造における局所的手法と大域的手法

■解析品質の評価

>空間的誤差の指標  ・構造力学 ・熱力学
>メッシュ最適化、HOMARD法による非最適化
>より冗長性をもつ有限要素  ・構造力学(非圧縮性) ・熱力学(質点モデル)
>メッシュ適用度の診断
>熱力学的時間刻みにおける再配分
>感度解析  ・力学  ・熱現象  ・材料依存性、荷重と領域検証
>パラメータ推定  ・材料特性や荷重条件 ・例題試験の活用と数値解析の結果
>信頼性解析:FORM形式法を用いた限界閾値の超過確率

■モデリング

>材料特性データのカタログ
>不整合なメッシュの結合
>Arlequin法を用いた重ね合わせモデル
>モデル要素の結合(3次元シェル、梁部材や円管、など)
>全てのモデルに対応可能な平面応力条件
>梁特性部材の解析
>均質化法(複合材料、反復的材料、など)

■要素ライブラリ(400有限要素)

>構造力学  ・2次元要素、2次元軸対称(フーリエ分解の有無)、3次元要素、非圧縮性)
>トラス要素、梁要素(単純型またはマルチファイバ型)、円管、板要素、シェル要素、膜要素、ケーブル、離散要素または非変形要素
>熱力学:2次元、2次元軸対称(フーリエ分解の有無)、3次元要素、シェル要素
>水和乾燥解析:2次元要素、2次元軸対称、3次元
>THM連成解析:2次元要素、2次元軸対称、3次元

■解析ソルバー

>線形解析(LDLT、Multi Frontal、PCG、MUMPS、FETI)
>非線形解析(Newton法、など)
>積分方法(Runge-Kutta、Newmark、Adaptatives、など)
>モード解析(Power、Lanczos、IRAM、など)
>パラメータ設定の拡張機能:番号変更、記憶形式、予備検討、結果検証、など

■専用ツール

>配管の積層や継手 ASPIC/ASCOUF
>流れ生成管 GEVIBUS

■ソフトウエア環境

>Salomeにおける統合環境
>プリ・ポスト処理: I-DEASTM、GIBI、Gmsh、ENSIGHT、Xmgrace
>MED形式にによるデータ変換
>調査管理ツールと工学問題解決環境: ASTK
>コマンドファイルエディタと記述確認ツール: EFICAS
>基盤システムの移植性
>開発用プログラミング言語: PYTHON  ・反復、試験、検証、などの枠組み ・手法と形式、など ・インタラクティブな解析と可視化(数学的ライブラリ、GUI、スケール表示、など)

■注目すべきこと

>ソフトウエアの品質保証(独立した妥当性検証、2000のテストケースの参照、13000頁の解説文書、ソースコードの品質、バージョンの管理、など)
>code-aster.orgのウエブサイトの項目(ダウンロード、オンライン解説文書、情報交換フォーラム、FAQ集、解析例題、など)
>利用者間のコミュニケーションとネットワーク(季刊雑誌 ASTER'echos'、ユーザークラブ、情報交換のネットワーク、年次大会、GPLライセンスのフリー版Code_Aster)

非線形解析の機能

工学的な設計評価では、様々な非線形性の考慮が、より一層に必要とされています。 たとえば、材料非線形、幾何学的非線形、接触問題、などです。 解析機能として、DYNA / THER / STAT_NON_LIN などを利用して、 Code_Asterはこれら非線形を考慮した解析機能を提供しています。

Code_Asterは、オープンソースソフトウエアであり、その非線形解析機能の実現においては、Code_Asterのソースコードをオープンにすることが大きな貢献をしています。そのため、新しい機能の開発において利用者からの協力が大きな役割を果たしています。 例えば、スライド接触の機能は、IFP(フランス石油協会)からの貢献であり、高分子材料の超弾性挙動でのMoovey-Rivlinモデルは、リヨン第1大学からの貢献です。

■非線形解析の操作手順…

機能性や利便性においても、非常に優れた解析機能として、DYNA_NON_LINE と STAT_NON_LINE があります。これらは、潜在的な静的解析や動的解析における運動学的非線形を考慮することができます。具体的には、大きな移動や大きな変形を対象とします。別の非線形性としては、材料の構成則や接触や摩擦の考慮からも生じます。

熱力学解析においては、THER_NON_LINE が非線形解析を実現します。ここでは、材料特性や放射や強制対流などを考慮します。この解析は、物質的な構成やコンクリートの減衰における変化を計算することができます。

■解析能力と成熟過程

Code_Aster の非線形構造解析の実現においては、計算力学の分野において、我々の研究開発の活動より得られた革新的な成果を利用しています。非線形構造解析の過程の中で、専門技術者の要求に対応するために、大きな努力が積み重ねられました。しかも同時に、最も容易な利用手順を提供することで、誰にでも高度な解析機能が活用できるようにしました。

よって数値解析的操作は、技術者の目的を容易に実現することを可能にしています。彼ら技術者は、数値解析の実現可能性を容易に判断することができ、実用的な作業時間で定量的な評価項目に対応することができます。評価対象としては、応力や内部情報や変形などがあります。さらに、Newton-Raphson 手法の応用によって、複雑な現象も数値解析的に分析することができます。この手法によって、構造解析のマトリクスやその更新、線形探索、離散化などを実現します。

非線形解析操作では、全体的な収束条件が利用され、この条件は、応力や歪度などの物理量を参照しています。これらの強力な機能は、より有用な活用やより高い精度などを実現してし、特に不均質な現象の関連として、複雑なモデルや現象などを扱う場合に有用です。

不安定構造物の状態変化を追跡することや許容可能な最大荷重を計算するために、標準的な解析が可能になっています。ここでは、変形の連続性手法や弧長法が利用されます。また、材料の剛性低下に関しては、弾性的予測法を用いて実現されています。これより多くの制約点での制御によって、局所的な不安定性の低減を効果的に考慮することが可能になっています。もう1つの有用な機能として、変形過程における挙動の連続性を確保できることがあります。

非線形動力学においては、時間的な積分計算のために、Newton法やHHT法やtheta法などの数値処理が利用できます。MARC_RECAL による定式化機能においては、実験的結果と数値的解析の比較検討によって、最適なパラメータを提示することができます。最後に、解析結果の最終的な妥当性は、様々な感度解析(SENSIBILITE)と誤差解析(CALC_ELEM)との比較検討によって検証されています。

■運動学的な非線形性

大変形によって生じる非線形性は、様々な方法でモデル化されます。ここでのキーワードは、DEFORMATION です。

SIMO_MEIHE 機能では、大きな塑性歪や大きな回転などを考慮できて、変形速度から得られる全体的な挙動評価に取り入れられています。その機能は、様々な構成則の実現に利用されています。例えば、等方性の歪硬化による塑性性状、冶金学的な状態変化に伴う粘弾性、ROUSSELIERモデルによる延性的な損傷、などがあります。このモデルは増分的な機能を持っているため、変形性状に制限を設けずに大きな回転挙動などに対応することができます。

GREEN 機能は、大回転や大変形における微小歪に対応しています。この解析は、通常の弾性挙動や増分的な挙動の分析に利用できます。 PETIT_REAC 機能は、それとは異なり、それぞれの十分に小さな増分の各段階において、微小な歪を生じる状態において、幾何学的状態を更新する定式化に基づいています。

この機能を活用した構造要素としては、GREEN_GR 機能によって、梁要素やシェル要素では大変形や大回転を考慮することができます。 REAC_GEOM 機能は、マルチファイバー梁に対して適用されます。 最後に、COROTATIONNEL オプションは、外部提供モジュール ZMAT 構成則の統合により利用することが可能です。

■力学挙動における非線形性

等方性や非等方性の弾性、Mooney Rivlin 条件で適用される Signoriniモデルの超弾性、等方性や運動学的歪硬化による塑性、ChabocheとLemaitreモデルによる粘弾塑性、などに対応しています。

さらに損傷挙動を分析するための様々なモデルが利用可能です。例えば、Taheriモデルやpolycrystallineモデルなどの増分歪モデル、Rousselierモデルのような脆性および靱性の損傷モデル、などがあります。

また Code_Aster は特定の問題解決に用いられる非線形モデルを備えています。例えば、コンクリートの塑性や損傷、鋼材やその接合部、粘着性の要素、Cam-Clay モデルやバルセロナ Hujuex モデルなどの地盤と岩盤の力学的なモデル、ミクロやマクロの均質化モデル、kit 形式による熱流体力学モデル、などがあります。

これらの挙動は、数値的モデルとして実現され有限要素として利用できます。そのため De Borst アルゴリズムにより、シェル要素やマルチファイバー梁要素などへこれらの非線形モデルを容易に適用することができます。

もし必要であれば、新しい非線形モデルを独自に開発することもできます。このモデルの妥当性を検証するためには、SIMU_POINT_MAT 機能を用いることで容易に実現できます。またマクロコマンドが、新型 Ver.8において開発され実装されています。

■接触や摩擦における非線形性

Code_Aster は、様々な手法を用いて接触や摩擦などの現象を扱っています。 その目的は、2次元3次元の有限要素や梁要素やシェル要素など、全ての種類のモデリングを可能にするためです。 結果的には、不連続なメッシュや形状の増分変化などにも対応し、大変形に対して大きなスライドリンクを適用できます。

ペナルティー法やデュアル化法などの手順により、標準的な離散的定式化も利用できます。 最近の研究により、これらの計算アルゴリズムの実行性能を高める画期的な方法が提案されました。 この最新の反復アルゴリズムは予測共役勾配法と呼ばれ、非摩擦接触の問題に対して実装され、効果を挙げています。 現在では、接触面メッシュを数千含むような問題に対して、著しく高い性能を持って解析ができるようになりました。 これは解析能力の観点からみて、非常に大きな足跡であると言えます。

また Code_Aster は、接触や摩擦に関する3つの解析対象(変形、接触応力、摩擦応力)の弱形式に基づいた連続的な接触現象の定式化にも対応しています。 具体的には、拡張ラグランジェ法が用いられています。 この機能は、接触の物理的な現象をモデル化するうえで、最適な手法となっています。 またこの機能により、微小粗面に適合したモデルの開発を可能にしています。 このモデルは、動的な衝突問題を扱ううえで、特別な効果をもたらしています。 もちろん、この機能はとても広い範囲の問題に適用可能であり、適切な係数の選択によりペナルティ法による単純なラグランジェ定式化に対しても利用可能です。 さらに、境界条件と接触条件との間の冗長性に関しても、適切な処理が可能です。

潜在的に接触の可能性を持つ部分において、間隙や反力の値を保存する領域を想定することによって、isoValues や曲線を用いて、これらの状態を表示することができ、これよりデータ処理を容易にしています。 最後に、接触問題に対応は、AFFE_CHAR_MECA でのキーワード CONTACT を集約的な設定として用いることで、単純化されています。

地盤材料への対応

なぜ EDF(フランス電力公社)が、コンクリートや沈泥(シルト)や砂や粘土や岩石の力学挙動のモデリングに興味を持っているのでしょうか? それは、ダムの力学挙動の分析から始まり、放射性廃棄物保管のために選定される手法の評価を行うためでもあります。 Code_Aster の熱流体力学の解析モデルは、原子力発電における使用済み燃料の処理サイクルに対して、非常に困難な問題可決に向けての、EDF の貢献の1つと言えます。

設計荷重下における地盤材料の非線形性として、多くの場合にはクリープ現象が発生します。そのため、短期や長期の時間範囲に対して構造物の状態を予測することになり、この場合には建設段階からのシミュレーションが必要となります。 このことは、このような地盤材料の中を地下水が浸透してゆく挙動が、力学的な影響を与えるため特に重要です。とりわけ、地盤や岩石が非常に長い時間かけて変化してゆく場合には大切です。 そのため、このような地下水の流れを解析することは不可欠であり、これは、毛細管現象が部分的な飽和状態を発生させ、これが応力状態に重要な影響を与えることが分かっているからです。 ただ不完全な透過性材料に対しては、部分的にこの影響があり、ここでは強い吸引現象が見られます。

■特別な材料の構成則

もちろん Code_Ater においては、特別なモデル化に対してのみ、非線形現象をシミュレートして記述しているにすぎません。 これらの多様な現象に対応するためには、拘束状態によるせん断力を受けてかなりの体積変化がもたらされた場合での、材料の劣化を表現するような特性を、これらの現象のすべてにおいて共通して考慮されていなければなりません。

この性質の定式化の枠組みは、対象とする地盤材料が、コンクリート・沈泥・砂・粘土・岩などに対応して変化します。例えば、コンクリートに対する損傷を定式化する場合には、その剛性の劣化を表現するために、微小ひび割れ法則が定式化に用いられます。 しかしながら地盤の定式化においては、塑性挙動は、不可逆的な歪の影響を効果的に考慮することを可能にします。 また硬化現象は、粘土においては体積効果による塑性歪に依存して発生しており、岩石においてはせん断変形による塑性歪に依存しています。

全ての場合において、軟化現象は、何らかの限界値を超えた場合に発生します。 地盤や岩石に対しては、Code_Aster における解析機能は、同時に発生するダイラタンシー挙動を、十分な厳密さでモデル化することができます。 同様に、水と熱の変化を考慮したモデル化も可能であり、これにより、 乾燥により生じるひび割れなどの損傷や、再透水化による材料構成の破壊や、粘土の膨張による可塑性現象や、地盤の地下水の熱膨張による崩壊など、これらを直接的にモデル化することもできます。

■地盤材料に対応した機能

砂や泥に対して、第1段階のCJS則(Cambou, Jeffari, Sidoroff)は、Mohr-Coulomb 基準に非常に近似しており、荷重制限形式の記述を可能にしています。 第2第3段階では、等方性と偏差塑性機構とを統合した手法を導入しています。ここでは、ダイラタンシーを含んだ運動学的な硬化現象と等方性を備えており、さらに第3段階では歪軟化も考慮されています。

地下水で飽和した粘土である Cam Clay(RELATION_KIT='CAM_CLAY')の場合には、構成則モデルの重要点は、特定の領域に対して塑性限界応力を設定した非線形弾性の性質になります。その領域の大きさは、圧密応力に依存しています。 これら性質を飽和していない地盤に対して拡張するものとして、Barcelona モデルがよく知られています。この場合には、領域の大きさは同様に許容応力に依存しています。

EDFは Chambery にある水力学研究センターにおいて、様々な検証結果を蓄積しており、特に岩石に関しては豊富な経験があります。 そこでは、岩石が最大荷重後にひび割れたあとの挙動を把握するために必要な実証実験が行われています。 この結果は Hoek-Brown モデル(LAIGLE)として一般化され、構成則として提案されています。 この Hoek-Brown モデルは、非常に単純な形式ながらも地球物理学に裏付けられており、非常に有用です。 同様に、コンクリート材料やある種の地盤材料に対しては、Drucker-Prager 弾塑性モデルが有用です。

Code_Aster は、コンクリート材料の水和や乾燥に対する単純なモデルを、多孔質材料における様々な水力学的現象に対応しています。 さらに複雑な材料に対しては、2つの非線形流動則の統合法則とエネルギー保存則との組み合わせたモデルを用いることができます。 またガス圧力を考慮しない形での、これらの材料モデルの改良された形式では、非常に一般的な熱力学的な平衡法則により支配されていることから、異なる状態間での遷移についても扱うことができます。 この法則は Darcean と呼ばれ、浸透性と飽和性に関して利用者が定義する統合法則に従って記述することができます。 同じ方法が、飽和現象と毛細管現象との関係に対しても適用されます。 乾燥ガスや水蒸気などの気体と油溶性ガスや液体の水などの液体など混合体に関して、分布の状態は、Fick 法則に従うものとしています。

■実験結果の重要性と検討

これらの材料構成則に関して、その適用可能性を向上させるために様々なモデルが長い時間をかけて検討されてきました。 複合THMモデルは、EDFの要求に非常に対応するものでした。:それは、 原子力発電施設の格納容器の高応力状態の分析、 汚染物質の深層格納に関する問題、 再飽和化や熱力学反応による粘土の膨張の把握、 掘削したトンネルの崩壊や圧密化、などに適用されています。

THMモデルの最適化された形式

この形式に関する大きな展開は、THMモデリングの検討において最近になって達成されたものである。特に自由度の最適化において、力学現象に関しては2次の補間法がなされ、熱水力現象に関しては1次の補間法が適応されています。 同様に、有限要素法の数値積分に関しては大きな展開があり、拡散項や容量項に関する積分点の分離を実現しました。 これを実現するために、利用者は選択されたモデルを利用する必要があります。

コンクリートと土木工学

原子炉格納容器や原子力発電所のクーリングタワーや水力発電所のダムなどの、発電施設の土木構造物に対して、構造力学的な挙動を予測し制御することにおいて、これらの設置の安全性を確保することが、EDFの使命として最も重要なことであると言えます。 Code_Aster によるプレストレス鉄筋コンクリート挙動の非線形モデリングは、最も重要な意義を持ち、これによって、このような構造物の長期にわたるデジタルモニタリングを検討することを可能にしています。

コンクリート構造物の耐用年数の評価、つまり、構造物の欠陥を予想し補修するためには、その建設当初や測定した時点での構造物の状態に関する情報が必要です。 このことは、コンクリート材料の様々なモデリング手法に関して、研究を必要としています。 つまり、実行可能な調査や実験による検証などの手法についてであり、例えば次のような検討項目があります。:熱水力学、乾燥、収縮、ひび割れ、損傷、クリープ、さらに能動的または受動的な補強の効果などです。

物理的な挙動だけでなく、実際の問題が対象としている領域は非常に広範囲に及びます。例えば、原子力発電施設のコンクリート格納容器の張力状態があり、さらに時間的な変動も問題となります。 また、地震などの突発的な荷重の影響、予備冷却材の損失、飛翔物の衝突による影響、なども問題です。

■コンクリート材料の物理的な構造挙動

コンクリート材料の特性の変化は、熱を考慮した水和と乾燥のモデル(Granger, Barant, Mensi など)に関連した形で展開する現象です。 Code_Aster の計算機能では、コンクリートの収縮に関して、水和反応の変化における初期の段階における収縮や、蒸発現象の計算による乾燥収縮などに対応しています。

ある種のクリープ現象に対しては、2つのモデルとして GRANGER と BETON_UMLV_FP が利用可能です。 乾燥によるクリープ現象は、Bazants の手法を用いてモデル化が可能であり、それは BARANT_FD の1種類の場合や、BETON_UMLV_FP 法則によるクリープと連携させた形式で作られています。

■非線形構造力学モデル

コンクリート材料の力学的な非線形挙動は、様々なモデルによって表現することができます。これらのモデルは、対象とする挙動に依存して選択する必要があります。 例えば、2次元において定番とされている Parabolic Rectangle 法として、新しい BETON_REGLE_PR モデルが利用できます。

このモデルは、単調荷重におけるシェル要素によって作られて構造物に非常に適しています。そして、以下に示すようなモデルがシステムに組込まれています。: Laborderie(LABORD_1D), Double Drucker Prager(BETON_DOUBLE_DP), Mazars(MAZARS), Badel(ENDO_ISOT_BETON), Godard(ENDO_ORTH_BETON)などです。

損傷モデルでは、メッシュサイズに対する数値解析的な依存性を取り除くために、その利用が(GRAD_EPSI)により制限されています。 最終的には、継続手法により潜在的な跳ね返り現象を超えて解析を進められます。

■プレストレスコンクリート

プレストレスコンクリート構造の挙動を解析するために、Code_Aster は様々な機能を提供しています。 プレストレスコンクリートやメッシュ状ケーブルは、メッシュ生成のより容易にするために、独立して生成することが出来ます。 これは DEFI_CABLE_BP 機能により実現され、コンクリートとケーブルを結合することを可能にし、さらに強制的な張力状態を解析し、この結果をプレストレスコンクリートのモデルに統合させます。 このような解析を実行するためには、STAT_NON_LINE や CALC_PRECONT 機能が利用され、ケーブルに張力を導入してから段階的に解析を進めます。

コンクリートの補強鉄筋は、有限要素の棒要素を用いるかメッシュの補強によってモデル化されます。 鉄筋により構成された格子を表現する場合に、シェル要素を用いたモデル化においては、中立面の形状から変換して作られることになるでしょう。 コンクリートの非線形特性は、材料の可塑性や非線形歪を表現するために、メッシュの補強の中で組み込まれます。

補足:BARRE 要素による補強に対する CORR_ACIER 構成則での最新の研究では、弾塑性挙動における壊れやすさを評価することができ、ここでは、損傷指標に基づいたひび割れの塑性歪を考慮しています。

破壊や損傷や疲労など

構造物や機械設備の破壊に起因する解析では、材料劣化の進行特性などを考慮する必要があり、十分なレベルの分析の緻密さが要求されます。 様々な実験や調査によって評価された解析モデルや解析ツールを用いることで、Code_Aster は、破壊や損傷や疲労や限界荷重に関する幅広い問題に対応することができます。

繰り返し荷重を受けた場合の力学的な劣化の現象を、疲労と呼んでいます。この現象を別の見方をすれば、破壊や損傷と言うこともできます。 破壊の進展は、発生したひび割れが伝播するかどうかを判定するための、大域的な判定基準によって決定されます。 一方で、損傷の進展は直接的に材料の状態に依存していて、損傷部分の初期の発生や展開の検出が重要になってきます。

■ひび割の進展

ひび割れの安定性や進展性を解析するためには、2つの重要な指標が不可欠です。それは、エネルギー解放率Gと応力集中係数Kです。 これらの指標をCode_Asterでは、CALC_G(エネルギー法)とPOST_K1_K2_K3(変位飛躍の内挿)などの解析機能において、線形弾性解析のなかで計算しています。 これらは2次元や3次元の様々な状態において、表面力や体積力や端部への圧力などに対して有効です。

弾塑性解析においては、単調荷重かラジアル荷重が作用する場合に限って、CALC_Gの解析機能を用いて、指標Gを計算することができます。 これらの制限を克服するために、以下の2つの新しい指標が導入されました。 GTPは、延性的な破壊は除外して、CALC_Gによって計算された完全塑性の指標Gのことであり、 GPは、単なる塑性の指標Gと定義されます。

後者は、脆性的な破壊に対してのみ利用され、Francfort-Marigo構成則における塑性への拡張となっています。 POST_GPの解析機能は、GPの限界値を定義することを可能にし、熱力学的な設定された過渡状態に対する破壊モーメントの予測も実現します。

接合要素(PLAN_JOINTモデル)や不連続要素(PLAN_ELDIモデル)を用いる手法により、一定方向に展開する2次元のひび割れの、静的および動的の解析モデルを実現することが可能です。 ここでは、ひび割れ端部の間における残留相互作用として、CZM_EXP や CZM_EXP_REG の挙動を考慮した、融着帯での境界モデルを用いています。

■構造物の損傷

接触面の特性に従ったひび割れは、劣化の現象を表しており、損傷の仕組みは、材料の特性を用いることで、より精密なモデル化が可能です。 もし言葉の本来の意味において、ひび割れの発生直後に関する研究に限定するならば、POST_ELEMの解析機能は、Weibullモデルによって可能性が与えられています。

しかしながら、もし構造物の損傷の開始から破壊までの、挙動全体をモデル化したいのならば、損傷の進展や材料学的視点(ENDO_ISOT_BETONとENDO_ORTH_BETONなどのコンクリートのMAZARS基準や鉄筋のROUSSELIER基準)における応力を考慮した構成則に期待するか、軟化を考慮した塑性モデル(コンクリート材料に対するBETON_DOUBLE_DP、コンクリート物体に対するDRUCKER_PRAGER、鉄筋に対するVENDO_CHAB)を活用することになります。

さらにこれらのモデル化を評価の高い良いものにするためには、この構成則を次の2つの課題に対処することが必要になります。 それは、構造物の挙動全体における不安定性と、歪の局所的偏在についてです。

これらを解決するために Code_Asterでは、2つの画期的な解決策を導入しています。 それは、飛び移り座屈現象などの不安定性を把握することを可能にするための特定連続化手法と、離散化に依存する矛盾を避けるための非局所的な挙動の定式化手法です。

■疲労による破壊

通常の稼働状態において工業製品の殆どの破損は、疲労が原因となっています。 その潜在的な特性こそが、破損に対する悪影響の原因となっています。 つまり、このような潜在的な挙動をどのように評価して良いかは、設計段階から検討すべき課題になっています。

この課題としては、 長い周期の疲労や短い周期の疲労など様々な条件の疲労現象に対して、また応力の種類として設定値やランダム値や周期的や多軸的やねじれなどに対して、可能な入力値(成分表現や応力テンソル)と必要な解析値(構造物全体の挙動や特定の部分や基準値)を定めることです。

メッシュを必要としないひび割れ解析:現在では、Code_Aster においては X-FEM 手法を用いることで、メッシュを用いずにひび割れの解析が可能になっています。 このひび割れは、幾何学的手法(DEFI_FISS_XFEM機能)を用いて定義され、一般的な有限要素のメッシュを拡張する手法として導入されています。 力学的解析結果の可視化においては、応力集中係数が CALC_G 解析機能を用いて計算されます。 これによりひび割れ端部での接触を考慮することが可能になります。

鉄筋コンクリートの損傷は、2つの新しいモデル化 GLRC_DAMMAGE と GLRC_DM を用いて可能になります。ここでは、静的現象や地震応答に関して鉄筋コンクリート板の挙動を分析することが出来ます。

動的現象における疲労進展では、POST_K-TRANS 解析機能を用いることで、時間変化に対応した応力集中係数の分析を迅速かつ正確に行うことができます。 またモード解析における動的な変化についても、可視化することができます。

動的解析

構造物の動的な挙動は、通常では想定されない異常な挙動を招くことが多いです。 単純な共振現象であっても、著しく大きな応力レベルの上昇をもたらします。 例えば地震現象においては、水面の移動が貯蔵タンクを大きく振動させることさえがあります。 幸い、Code_Aster は、構造物の慣性力をモデル化することで動的な現象に対応しており、 定常的や遷移的な挙動における想定外の影響についても分析できます。

構造力学の支配方程式に動的な慣性力項を導入することで、振動的または遷移的な複雑な動的挙動をモデル化することが出来ます。 それらの挙動が、確定的かランダム的か、材料構成則が線形かそうでないか、構造物の振動において音響的や流体的な振動の影響を受けるかどうか、接触や摩擦を校了するかどうか、これらの複雑な条件を考慮して、Code_Aster は、モード性状や物理空間において、対象構造物の全体または部分に対して、解析モデルを作ることができます。

■モード解析

構造物の固有振動数や固有振動モードを計算することは、その動的な挙動を分析するための不可欠な情報を与えることができます。 解析機能 MODE_ITER_XX は、構造物の減衰や非減衰の場合に関して、変形モードやその周波数を計算できます。 このモードは、モデルの基本的な挙動を特徴的にとらえたものであり、全体の自由度に比べて単純化されています。そのため、振動の遷移を単純化して分析することができます。 もちろん、必要に応じて、モードの正規化(NORM_MODE)やフィルター処理(EXTR_MODE)を行うこともできます。

■過渡現象または周波数解析

起振に対する構造物の応答を知ることは、時間とともに変化する歪や応力を厳密に分析するために不可欠です。 て供されている解析機能は、以下の様々な状態を分析できます。 例えば、調和線形挙動(周期的な応力)、モード基準または物理的基準における過渡応答(線形または非線形、数値積分的手法に依存)、スペクトル解析や地震荷重やランダム線形振動(スペクトル密度に依存)

■減衰

構造物における摩擦や粘性などのような消散的な現象は、振動現象の応答の大きさに非常に大きな影響を持っています。 それにも関わらず、減衰は通常はモデル化が難しい現象です。 このため、ここでは3つの減衰のモデルが利用できます。それは、粘性減衰、履歴減衰、モード減衰です。

■計測から解析へ

数値的なモデル化は、応力の分析が必要であっても、計測が困難な状態における実験的な計測を、補足することができます。 解析機能 PROJ_MESU_MODAL は、数値解析に得られたモード基準を用いて、必要となる値を予測することが出来ます。

■地盤と構造物との連成

構造物の基礎反力やアーチダムの動的挙動で生じる地盤と構造物との連成は、以下の2つの手法により解析できます。 これらは、MISS3D(XX_MISS_3D)に周波数分析を結合した手法であり、 1つは ECP 手法により積分を行う方法で、 もう1つは疑似的な無限領域をモデル化するための吸収的な境界要素を用いる方法です。 全ての場合において、無反射であることが確認されています。(ここでは、構造物に対して無限遠から回析する平面弾性や音響波は除外されます)

■音響現象

閉空間における圧縮性流体内での音響の伝播を検討するためには、2つの定式化(標準形と混合形)を用いて ACOUSTIQUIE 解析機能が利用できます。

より良い解析のための部分構造法: 対象となる構造物の力学的特性の複雑さに比例して、一般的な数値解析や実験測定などの手法は、処理の時間や手間が必要となります。 そのため、全体的なモデルを複数の部分構造に分割することは有用な手法となります。 そこでは、それらを統合する前の状態で、個別に振動挙動を分析することが出来ます。 様々な形式の結合モードが、DEFI_INTERF_DYNA の解析機能において利用できます。 ここでは、Craig-Bampton, MacNeal らの手法や動的結合手法が用いられます。 結合面においては、表面のメッシュは一致する必要はありません。 Code_Aster は、一致しない結合面に対応することができます。 この研究領域における新しく開発された手法は、初期状態の形状を基本にして変形による接触を予測することができます。

流体的な様々な力: これらについても、Code_Aster では対応することができます。 燃料棒などの流体中での振動について、以下の2つの現象を注目しています。 1つは構造物の振動とは独立して作用する力で、乱流や2層特性(DEFI_SPEC_TURB)によって生ずるものです。 もう1つは弾性体から流体が受ける力で、具体的な表現は流体構造連成(CALC_FLUI_STRU)の結果から得られます。 解析機能 CALC_MATR_AJOU は、この構造流体連成の係数を計算できます。 これにより、振動音響連成の解析も可能になり、 液体に満たされたパイプやタンクのような構造物の振動についても分析できます。 特別な自由表面の場合には、XX_FLUI_PESA/STRU モデリングが利用できます。 これらの強い連成は、対称的な定式化で表現され、調和的または過渡的な現象の表現にも利用できます。

マルチスケールからマルチフィジックスへ

発電所設備に限らず様々な工業の現場での現象は、殆どが様々な要因の挙動が関連しています。 解析システムの Code_Aster は、これらの多様な現象の連成や影響を分析するためのツールとなっており、そのために、特殊な現象を解析するコードを、内部的または外部的に連携させています。

マルチスケールやマルチフジックスに対応するために、解析コードに関して、内部的または外部的な手法に区別して考えることができます。 最初の内部的な場合、物理現象の多様性は直接的に Code_Aster の内部に考慮されています。 もう一方の外部的な場合、相互作用はそれぞれの解析プログラムで計算された結果を連成し関連させて考慮しています。

■内部的な手法

材料と関連した熱力学的な連成は、温度やその他の変数に依存しています。 熱力学と水力学と構造力学が強く連成する場合においては、 多孔質材料に液体が浸み込んで飽和するかどうかに関心が集まっています。 例えば、岩石や粘土やコンクリートなどです。 金属の熱的な力学現象への具体的な応用例として、マルチパスの溶接に関するシミュレーションがあります。 また流体構造連成の解析では、静止状態または流動状態の液体を含む構造物の振動を分析することができます。

電力と構造との連成では、ラプラス力を受ける構造物の動的挙動が対象となり、導電体の相対的な位置関係によってこれらの現象が発生します。

Arlequin 手法は、重層化技術を用いて様々なマルチスケールのデジタルモデルを結合するための可能性を開いたとされています。 これにより、ひび割れ、溶接、支保工、などの解析が可能になります。 例えばひび割れは、X-FEM 手法を用いることにより、メッシュ生成を行わずに解析を進めることが可能です。

ミクロ−マクロの手法は、大小様々なスケールにおいてモジュール的な方法で、材料の構成則を操作することができます。 HOMARD メッシュによる粗密調整ツールは、解析誤差や感度指標解析などと連携することで、利用者が解析の品質を判断するための手法となっています。 この感度指標解析では、入力データの変化に対する導関数を解析的に求めています。

■外部的な手法

EDFで開発された流体に対する熱水力学の解析システム Code_Saturne と、 壁面における熱変化に対応するシステム Syrthes と、 構造解析システム Code_Aster などを連携させることで、温度場や圧力場に対応して、 構造力学用のメッシュを補正することが出来ます。 また、Code_Aster と Europlexus との連携では、高速動的解析のコードが EDF-CEA-CCR / Ispra-Samtech のチームより提供されています。

ECPで開発された波動伝播に関する積分方程式の解析システム MISS3D は、 Code_Aster のモード解析と連携することで、 地下水の有無を考慮した層状地盤に対する地震動の分析を可能にしています。

電磁場解析システム Flux2D/3D により解析された、立体的な応力場を、 Code_Aster に導入することにより、 変圧器や電動モーターの熱力学的共同の解析が可能になります。

ここでは、MED 形式を用いることで、EDF-R&D と CEA で開発された有限要素プログラムでは、形状モデリングやデータ変換を実現しています。 Code_Aster は、解析システムでのメッシュや形状特性や解析結果を、 変換して取り込むことができます。

最後の解析結果の形式は、比較的多様な構造を持っています。 例えば、要素により定義された全形式の領域情報(要素に対する定数、節点や積分点での値)があり、 この領域は、全体において定義されている部分とそうでない部分の両方があります。 また領域には、異なった定義情報を持った要素として、シェルやビームを取り込むことができます。 この多様な形式により、独自仕様でないププリポストシステムを活用する可能性を保証しています。 またこの形式では、入力では何か1つの形式が利用できればよくて、LIRE_MAILLAGE, LIRE_CHAMP の設定において、FORMAT='MED' とします。

ミクロ−マクロ手法では、要素単位のブロックより挙動が定義されます。 ここでは、運動学的な歪または他の等方性指標に関する手法を用いることで、 関連する挙動の全てを定義する必要はなくなります。 解析機能 DEFI_COMPOR を用いることで、これらの要素のブロックは、単結晶で横滑りする性質となります。 これにより、STAT_NON_LINE のメッシュグループに対して、このような挙動をモデル化することが可能になります。 全ての粒子が結合した骨材の解析では、単結晶材料と類似したモデル化をすることができ、これにより解析も実現しています。 この新しいミクロ−マクロ手法は、完全にモジュール化されたマルチスケールの解析を実現する可能性を開いたと言えます。 このような解析に必要な条件は、様々なスケールでの状態をいくつかの単結晶材料に対応させ、これらの複合体として解析することです。 さらに全体挙動から、各スケールでの局所化の手法を定義することが必要です。 これらによって、このようなマルチスケールの解析が実現します。

Code_Asterは柔軟でオープンなプログラムです

Code_Aster ソフトウエアの柔軟な設計により、先進的な利用者は、 専門的なアプリケーションや、新しい有限要素や材料構成則を導入し、 新たなデータ変換形式の定義を行うために、 部分的には Python を用いながらソースコードの改良ができます。

■Python言語による利用

Code_Aster の利用者は、解析手順を記したコマンドファイルにおいて、 分析の手順や解析の設定を記述します。 この記述言語の文法や命令は、Code_Aster の特徴として、Python 言語を用いて記述され、命令などはカタログにまとめられています。 このようなシステムの構成は、最小限の手間で新しい機能を追加することを可能にし、 マクロコマンドにおいて繰り返し行う計算手順をカプセル化することもできます。

さらに先進的な利用としては、利用者に目的に応じたデータセットを用いて新しい解析機能をプログラミングをすることができます。 例えば基本的な機能としては、構造形式の整合性確認があり、 より複雑な機能としては、Python 言語を用いて記述され、ここでは、メソッドやクラスやグラフィックや数値解析などのモジュールなども利用できます。

ここでは、上記前者の機能に関して、最も基本となる例として、円管の曲げ半径の最適化を紹介します。 この例では、Python のプログラムのなかで、様々な解析結果が蓄積されてゆきます。 具体的には、メッシュ生成と数値解析と結果可視化の作業が繰り返される中で、 曲げ部分での最大応力を注目する指標とすることで、 円管の曲げ半径の最適化を実現しています。

もう1つの例では、MEIDEE のマクロコマンドを利用しています。 これより、ケーブル構造の応力算定の計算を制御することができます。

グラフィックモジュールを用いることで、解析結果の識別を支援するような、直観的な操作を実現しています。 また、これらの手順をマクロコマンドにカプセル化することにより、 専門的な解析ツールを、信頼性や冗長性の高い手法として利用することがでます。

■有限要素と構成則

もし解析しようとする問題が、現在提供されている多数の材料構成則の いずれにも対応していない場合、 構成則のプログラムを新たに作成したり修正することは、容易にできます。

その結果として、材料定数を定義するカタログは非常に充実しており、 この構成則は決められた手順でで構成され、 ここでは、応力テンソルが与えられ、 内部変数や接線勾配マトリクスを更新するように記述されます。

現在提供されている480個もの有限要素のいずれにも、適切な要素が見つからない場合、 利用者自身で要素を組み込むことが可能です。 この開発を行うための手順では、必要となる段階的な説明が示されており、 アプリケーション全体の知識を必要とせずに対応できます。

Code_Asterのウエブサイトとフリー版

Code_Aster のウエブサイト www.code-aster.org では、 情報発信のためのマルチメディアのベースとなっており、 大きく2つの役割を持っており、 1つは利用者や開発者に対してサービスをすることで、 もう1つはフリーのプログラムとしてその普及を支援することです。

各セクションのガイドツアーやサイトのカタログでは、 Code_Aster が自由に利用できることを、 技術的かつ社会的に示すことを意図しています。

■情報発信

この Code_Aster の機能性や対象領域は、この Code_Aster V8 カタログの各章にまとめられています。 ここに示されている画像は、Code_Aster のユーザーの年会で公開されたものを、まとめています。 それぞれの研究成果は、Aster の工業分野で取り組みまれたものです。

フリー版と内部版との違いは、各バージョンにおいて、開発機能や操作方法に関して説明されています。 解析品質の保証の記述によって、改良や修正に対する許容基準の詳細を示しています。 最後に、ツールの説明の項目では、Code_Aster で利用するプログラムをリストにまとめています。

■解説文書

解説文書の項目では、コードに関する技術的な文書を、全て提供しています。 しかし、管理用ファイル(品質手順)やEDFの内部専用版に関する資料や文書に関する情報は、 この項目の中でも利用が制限されています。 一方、Wiki はコミュニティに解放されており、Code_Aster に関する解説を記述したり情報を入手することができて、 ここでの例題や解説は、公式文書へ追加されています。

■ダウンロード

この項目では、Code_Aster のダウンロードのための手順を示しています。 ソースコードは、各種ツールとともに事前に必要なモジュールも含めて、 "aster-full"と呼ばれる1つのパッケージにまとめられて提供されます。 そのため、セットアップは非常に簡単になっており、多くの場合 1つのコマンド実行だけで完了できます。 開発版では毎週更新が行われており、これらも同様にオンラインで公開されています。

■サポート

利用者の導入訓練のためには、学習教材や解説文書が提供されています。 開発工程に活用する規則や管理公開版に範囲における有効性の検討は、 情報発信の項目において示されています。 開発チームにおいて、開発作業版の完了した更新の記録は、利用者とともに共有され、 一部の制限はありますが公開されています。 また、システムに対する利用者の貢献も公開されています。 最新版において、開発作業版の導入に関する情報を確認することができます。

■サービス

この項目は利用が制限されており、EDF内部の利用者に対する情報になっています。 ここでは、プログラムの全体を入手するための情報や、 相談窓口、利用訓練、ユーザー会、などの情報があります。

新しい表示形式: 2007年にウエブサイトは再構築され、新しい機能として、 Wiki, RSS 新形式のフォーラムなどを導入するために、 広く利用されている技術を導入しました。

なぜ Code_Aster はフリーソフトウエアなのでしょうか?: この回答は、明確に意識されたものであり、活用を通して確認されています。 例えば、システムの欠陥を完全にかつ迅速に特定するためには、 ネットワーク上での利用者との連携を通して、 多様性のある利用技術や専門的な創造性の貢献などが、 迅速の問題を解決しより確かな妥当性確認や品質保証を実現します。 このような技術的な条件を踏まえて、 EDFの研究開発組織が決定した政治的な判断として、 フリー版の Code_Aster はGPLライセンスのもとに置かれることになりました。 その結果、原子力工学における活用技術や品質基準などを、 革新的な工業技術の普及に対して大きな貢献をする位置を与えることになりました。 この過程は、Aster のコミュニティーに対して、 利用者自身の活用において、 継続的に再利用が可能なソフトウエアプラットホームとして位置づけすることで、 一般利用者や内部利用者の両方からの貢献を活性化させる意図をもっていました。 Code_Aster は、半年毎に最新版をダウンロード出来て、 精度と性能の観点から、開発時点で最も適した手法を導入しています。

製品とサービス

1989年よりEDFにおいては、最新の問題に対して専門的な評価を与えるための 革新的で本格的な配布可能なデジタルシミュレーションツールとして、 Code_Aster を位置付けています。 Code_Aster は、適切な用途に対して利用可能な解析ツールであり、 さらに研究における独創的な開発を目指すと言う二重の目的を背負っています。

■情報公開と妥当性検証による品質保証

EDFが開発や配布を担っている Code_Aster の品質基準は、 規定の手順に従って確認された品質保証の枠組みに従っています。 この枠組みは、EDFの原子力施設の構造安全委員会における会議内容や要求基準を 参考にして作られています。 これらの基準は、Code_Aster ソフトウエア品質保証計画を構成し、 プログラムに関する管理者マニュアルの中に定義されています。 Code_Aster のシステム構成の理論的な基盤は、参照用マニュアルに記述されています。 プログラムの利用方法に関する独立した妥当性検証は、 外部の解析担当会社により実施され、仕様文書に規定されている ソフトウエアの基準順守に対応しています。 確認された解析の対象領域に関しては、実用的に活用可能であり、 回析の精度や効率に関して問題が生じないようにしています。 プログラムに関する品質保証情報は、各バージョンアップにおいて更新され、 エラーを修正し関連のある文書にその内容が反映されます。

■EDFのR&D技術者20名による開発チーム Code_Aster のシステムの高品質と整合性を実現するために、2000もの品質確認検査を通して、 20名の技術者が開発を担当しています。 ここでは、システム構成、ツール開発、バージョン管理、公開管理、評価管理、品質保証、 文書作成、情報発信、訓練支援、などを担当しています。 同時に、EDFにおける応用プロジェクトチームや、企業や大学などの研究調査、 保守管理業者、などに対しても支援を進めています。 このため、70名を超える技術者が、ソフトウエアの開発に貢献しています。

■開発成果

Code_Aster のシステムは、FORTRAN で記述され Ver.8 で 追加修正された44万行を含む120万行のソースコードで構成され、 C言語やPythonが補助的に活用されています。 このシステムは、動的なメモリ管理機構やコマンド解釈や有限要素解析エンジン (有限要素の定式化と独立したアルゴリズム)などを基盤技術としています。 そのため、様々な用途に対応した有限要素や命令が提供されています。

■Code_Asterの利用可能な3つの形式

Code_Aster は、業務版と開発版とフリー版の3つが、1つのソースコードから作られています。 このソースコードには、ツールや必要となるモジュールが組込まれており、 Unix や Linux においてその動作が保証されています。 しかし、フリー版を用いた Code_Aster のユーザーコミュニティは、 Windows における移植版に向けての提案を進めています。 業務版は、安全性管理に対する品質要求基準に適合しています。 改良作業管理や補足品質保証やこれらの文書公開は、隔年ごとに実施されることになっています。 これは、EDF内部の利用者や認められた関連企業が利用する業務版についての対応です。 将来的な再利用のために、最新版に後退した後も2年間は継続して利用できるようになっています。 一方開発版は毎週更新され、修正や改良や革新が進んでおり、年に50回もの更新があります。 業務版は、2年間の開発と検証の期間を経て、更新されることになっています。

Linux 用の Code_Aster の業務版と開発版はプログラムは、 EDFや連携組織が提供している公開用サーバーからが入手できます。 Code_Aster の半期毎のバージョンは、www.code-aster.org のサイトより、 GPLのライセンスに基づいて公開されています。 このプログラムは、現在の開発版をもとに原型にして作られています。 これを最新の状態に保つために、毎週修正パッチを利用することができます。

■解説文書

利用情報(概要、命令、手順、例題)、 情報技術(システム構成、メモリ管理、動作管理、データ構造) 参考情報(定式化、アルゴリズム) 解析精度(基本例題、検証例題)などがあります。 Ver.8 では、14000頁ありその半分が更新されており、 www.code-aster.org のサイトから利用することができます。

■モデリングに関する訓練と支援

シミュレーションソフトウエアの価値は、利用者の活用技術と慎重な結果判断に委ねられています。 これらの向上には、導入教育や継続的訓練などの重要な過程によって、 入手することが可能になります。 Code_Aster の訓練コースは、動的または静的の非線形解析に関して、 次の全ての段階に対応しています。 プログラムの導入とその開発、結果可視化の操作手順、解析品質確認のツールの利用、などです。

開発過程において、利用者の反応は非常に有用な意味を持ちます。 ここでは利用者の要望が集約され、時間経過に沿って、要求や評価がまとめられています。 この情報は1万個以上となっており、データベースの管理システムが利用されています。

Code_Aster の利用者は、より多くの計算資源を要求しています。 例えば、Bull Novascle システムは 1.6GHz の CPU を 120個と、960 GB メモリを備え、 CEAの研究開発計算機センターでは、10個の Opteron 64 bit CPU のクラスターや、 超整列計算機を利用することができます。

利用者への支援としては、複雑で革新的な研究に対して、専門知識を提供しています。 この場合には、ツールを用いて質問などができます。

Code_Asterは利用者にやさしいソフトウエアです

高度な数値解析は、以前ように、難しくて使えないものではなくなっています。 今日では、Salome-Meca システムに組込まれた Code_Aster を活用することで、 この解析コードをより容易に利用できるようになっています。 Salome-Meca は、利用者の解析実行やプリポスト処理を、数回のマウスクリックで 実現できるように開発されています。

■SALOME-MECA

SALOME-Meca プラットホームは、以下に示すような研究の様々な段階に対して、 1つの環境で操作を進めることができます。 CAEにより形状を生成する、自由メッシュや構造メッシュを生成する、 物理的なデータを変換構成する(EFICAS)、解析ケースを Code_Aster で実行する(ASTK)、 解析結果を可視化する(STANLEY)

■EFICAS

EFICAS は、コマンドファイルの編集とコマンドの文法確認を行うソフトウエアで、 使い易い GUI を備え、利用者の選択に対応して文法を確認し、直接にコマンドファイルを生成できます。 命令のカタログを解釈することにより、様々な規則に従って予想される記述に対応し、 自動的に文法や記述を管理できます。 統合化したプラットホームのため、このソフトウエアは、 荷重条件や固定条件を設定するためのメッシュグループを指定する場合に、 幾何学的形状に直接操作をして選択することができます。 標準的な解析では、アシスタント機能により、 利用者が数個の選択に従って自動的にコマンドファイルを生成できます。

■ASTK

マルチプラットホームでマルチバージョンの情報管理ツールを提供することは、 研究や開発の管理を通して行われる様々な共同の開発作業にとって、非常に有用なことです。 この機能が ASTK の目的であり、 プログラムのバージョンを選択し、研究で利用するファイルなどを定義し、 バージョンを超えた連結を設定し、開発者のためのツールの設定管理に対応することです。 このツールのインターフェイスは、クライアントとサーバーとの間のファイルの転送に ネットワークプロトコルを利用し、インターネットを超えて、遠隔命令実行を実現しています。 利用者は、解析用のファイルを容易に分配することができて、 異なった計算機システム間においても、 ネットワーク経由で圧縮したファイルの転送を可能にしています。

■STANLEY

アプリケーション STANLEY は、可視化ツールの操作ツールとなっており、 新しい解析結果やこれらの部分的に展開した情報に加え、 解析結果のデータ構造(変位や応力やその他)における領域情報のリストを 利用可能にする機能を持っています。 ここでは、これらの情報を等値曲面や2次元グラウで可視化することができます。 (Salome-Meca, gmsh, Xmgrace) この機能は、任意の計算機環境で利用でき、 例えば、Unix や Linux や Windowsのワークステーション を対象にしており、 解析は利用しているPCか遠隔操作のサーバーで実行することができます。

SALOME-Meca紹介


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Last-modified: 2018-11-30 (金) 17:07:26 (423d)