Windows10 の環境における FrontISTR+EasyISTR の導入メモ †20200619 岐阜高専 柴田良一
このメモでは、20200619時点で最新版となる「FrontISTR5+EasyISTR5」を、Windows10 に導入する。 重要なツールから導入してゆき、試行錯誤した手順に従って、徐々に構造解析環境を実現してゆく。 なお以下の説明では図は用いずに、必要な要点や情報を、コンパクトにまとめる形式とした。 柴田の環境での試行錯誤の記録で、手順は前後しており、設定を変更した場合には読み替える。 FrontISTR の導入 †ここでは、MS-MPI による分散並列処理も可能にする形式で導入する。 FrontISTR の入手 †公式サイト「https://www.frontistr.com/download/」に接続する。
最初の方にある FrontISTR の最新版(Latest release)で、
「Executable binary MPI version for Windows 64bit. (with MS-MPI,METIS,MUMPS,Trilinos,Refiner)」入手する。 FrontISTR の確認 †コマンドプロンプトを開き、「c:\DEXCS\FrontISTR5\fistr1.exe」を実行する。
「msmpi.dllが見つからないため、コードの実行を継続できません。…」となる。
これは、MS-MPIがないためのエラーですので、導入します。検索すると最新は「Microsoft MPI v10.1.2」と思われる。
MSのサイト「https://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=100593」に接続する。
赤い「Download」ボタンを押して、「msmpisetup.exe」にチェックを入れて、右下の青い「Next」ボタンを押して、保存する。 ParaView の導入 †EasyISTR では、FrontISTR を活用するための、解析情報を効率よく処理する統合支援ツールとなっている。 形状やメッシュを作るプリ処理は「SALOME」、結果の可視化するポスト処理は「ParaView」を用いる。 ここでは EasyISTR の最初の設定に必要な「ParaView」の導入を行う。 ParaView の入手と確認 †ParaView の公式サイト https://www.paraview.org/ に接続する。右上の「Dowload」から進む。
確認時の最新は v5.8 であるが、仮想環境や遠隔接続の場合では OpenGL の対応で不具合が生じる場合がある。
直接にPCの画面を利用し、仮想環境や遠隔接続をしない場合には、最新版 v5.8 を利用する。
その場合は、OpenGL を利用しない v4.4 を選択し、「ParaView-4.4.0-Qt4-Windows-64bit.exe」を入手する。 MSYS2 の導入 †EasyISTR は当初は、Ubuntu など Linux 環境で構築されており、Windows10 に導入する場合も MSYS2 の環境を用いる。
具体的には動作環境として、Python3.6 と PyGObject(GTK+3) が必要になるので、導入する。詳細な導入手順は以下を参照。 MSYS2 の導入 †公式サイト https://www.msys2.org/ に接続する。
最初にあるダウンロードボタン「msys2-x86_64-20200602.exe(99.133KB)」を押して、保存する。このファイルを実行する。
設定パネルは、すべて標準の指示に従い、インストールして、完了する。すぐに MSYS2 の端末が起動する。 MSYS2 へのライブラリの追加 †先の MSYS2 の端末を起動して、以下のコマンドで、Python3.6 と PyGObject(GTK+3) 関連ライブラリを導入する。 各コマンドでは、必要に応じて Y で進める。 $ pacman -Suy (システムの更新の確認で、全て最新のはず) ライブラリの導入確認 †次に MSYS2 の、「スタート>MSYS2 64bit>MSYS2 MinGW 64-bit」の端末を起動し、「python3」を実行しする。
プロンプト「>>>」を確認したら、「import gi」のコマンド実行で、エラー無く終了を確認する。
次に「import vtk」のコマンド実行では、「EasyISTR5 操作マニュアル(P.10)」の記述どおり
「ModuleNotFoundError: No module named 'vtkIOMySQLPython'」のエラーが出る。Ctrl-Z で一旦 python3 を終了する。 EasyISTR の導入 †ここでは「EasyISTR5 操作マニュアル(P.11)」の記述を参考に導入する。 上記は、公式サイト http://opencae.gifu-nct.ac.jp/pukiwiki/index.php?AboutEasyISTR に接続し、 下のほうにある「EasyISTR操作マニュアル(easyistr-3.10-200413版)」のリンクより入手する。 ダウンロードフォルダに「EasyISTR5-manual-3.10-200413.pdf」を準備しておく。 EasyISTR の配置 †配布サイト http://opencae.gifu-nct.ac.jp/pukiwiki/index.php?AboutEasyISTR に接続する。 FrontISTR ver5.0 に対応した、最新版 EasyISTR-3.10.200413.zip をダウンロードして保存する。 ダウンロードフォルダに「easyIstr-3.10.200413.zip(2270KB)」があるので、ZIP ファイルを展開する。 できた「easyIstr」フォルダができる。これを「c:\DEXCS」フォルダの中に、「EasyIstr5」として移動する。 EasyISTR の確認 †Windows では「EasyIstr5」フォルダの中の、「easyistr.bat・easyistrEnv.bat」を用いて EasyISTR を起動する。
それぞれを、右クリックメニューの「編集」でメモ帳で開き、内容を確認します。 set HOME=C:\DEXCS\EasyIstr5 動作確認として、C:\DEXCS\EasyIstr5 にある「easyistr.bat」を実行する。最初の起動は初期設定で少し待つ。 ウインドウ「EasyISTR5 for FrontISTR-5 (ver 3.10-200413)」が起動したら成功となる。 なお EasyISTR のウインドウと同時に、黒い cmd.exe の端末も起動しますが、2つが揃って動作する。 (端末は最小化は良いが、終了はウインドウも終了する) この段階の機能確認として、下段にある「folder開く」「端末起動」ボタンを押して、動作を確認できる。 右下「閉じる」で終了する。 作業用フォルダと文書用フォルダを作るために、インストール先 C:\DEXCS\EasyIstr5 を開く。 ここに「work」「doc」の2つのフォルダを作る。先に入手した操作マニュアルを doc に移動させる。 支援ツールの導入 †インストール先の C:\DEXCS\EasyIstr5\data の中で「usingApp」で、各種の支援ツールを設定している。 そこで以下の手順で導入する。 Visual Studio Code の導入 †設定ファイルを確認するエディタとして、マイクロソフトの Visual Studio Code(VScode)を利用する。 公式サイト https://code.visualstudio.com/ に接続する。右上の「Download」で進める。 Windows 用の、System Installer の 64bit 「VSCodeSetup-x64-1.46.1.exe」を入手する。 上記を起動して、標準設定に従い、追加設定を選択して、導入する。(標準ツールでありC:\DEXCSにしない) デスクトップ上の「Visual Studio Code」アイコンから起動を確認する。 LibreOffice の導入 †材料特性を表形式(CSV)で扱うために、オフィスソフト(表計算ツール)が必要であり、LibreOffice を導入する。 すでに MS Office が導入されて入れば、それを設定するので、以下の手順は不要となる。 公式サイト https://ja.libreoffice.org/ に接続する。「ダウンロード」ボタンで進む。 最新版「LibreOffice 6.4.4」と「ヘルプ:日本語」の2つを入手する。 最初にツール「LibreOffice_6.4.4_Win_x64.msi」を実行して、すべて標準でインストールする つぎにヘルプ「LibreOffice_6.4.4_Win_x64_helppack_ja.msi」も同様にインストールする。 デスクトップ上の「LibreOffice」アイコンから起動を確認する。 gnuplot の導入 †非線形解析の増分処理などにおいて、解析途中の状態をグラフ表示するために、gnuplot を用いる。
公式ダウンロードサイト https://sourceforge.net/projects/gnuplot/files/gnuplot/5.2.8/ に接続する。
最新版「gp528-win64-mingw.exe」を入手する。ダウンロードフォルダのインストーラーを起動する。 支援ツールを登録する †登録ファイルは、C:\DEXCS\EasyIstr5\easyIstrUser\data の「usingApp」であり、これをエディタで開く。 以上の導入の場合には、以下の部分を修正して登録する。 office "C:\Program Files\LibreOffice\program\soffice.exe" -calc EasyISTR5 のデスクトップ起動 †まず EasyISTR をデスクトップから起動するため、C:\DEXCS\EasyIstr5 にある 「easyistr.bat」のショートカットをデスクトップに作り、このアイコンからの起動を確認する 名称を「EasyISTR5」として、右クリックメニューのプロパティから、アイコンの変更を行う。 アイコンファイルは、C:\DEXCS\EasyIstr5\icons の「easyIstrW.ico」を用いる。 支援ツールの起動確認 †デスクトップから EasyISTR5 を起動する。 「cnt,msh編集」ボタンより、VScode 上でファイル(hecmw_ctrl.dat・FistrModel.msh・FistrModel.cnt)が開く。 「設定項目:材料物性値」に移り、「DB開く」ボタンより、LibreOffice Calc が起動する。 「設定項目:post」に移り、「ParaView起動」ボタンより、ParaView が起動する。 (Gnuplotは増分解析のデータをもとに実行する) プリ処理ツールの導入 †以上で、構造解析ソルバー FrontISTR5 と統合支援ツール EasyISTR5、ポスト処理ツール ParaView が導入できた。 しかし、解析対象の形状やメッシュを準備するプリ処理ツールが必要な場合には、以下の手順で準備する。 なお EasyISTR を用いると、標準的な UNV 形式メッシュ、Abaqsu 形式の INP メッシュ、が利用できる。 これらのメッシュ情報には、荷重や固定の境界条件を設定する面などの情報も含んだものが必要となる。 これらのメッシュファイルを他のツールで準備できれば、以下の導入は不要となる。 3次元プリ処理ツール:SALOME の導入 †EasyISTR の操作マニュアルでは、P.53 のように「3次元プリ処理ツール:SALOME」を用いている。
これで境界条件の設定を含めた、UNV 形式のメッシュファイルを作成しているので、SALOME を導入する。 3次元プリ処理ツール:PrePoMax の導入 †ここでは、Abaqus入力ファイルの INP 形式のメッシュ情報を利用するために、PrePoMax を利用する。
これはオープンCAE構造解析ツールである CalculiX(Abaqus用INP対応ソルバー)のプリポストツールである。 |