例題ファイル「CylinderProject.zip(CylinderProject)」を用いた、SvSolverの動作検証に関する情報4 †以下の説明では、公式サイトの DCUMENTATION の「Simulation Guide」https://simvascular.github.io/docsFlowSolver.html において、「Creating a Job for Simulation」からの操作手順を参考にしながら、SimVasucular の操作方法を学びます。ここでは、Windows10 の環境を用いて説明します。 準備として、作業フォルダ C:\WorkSV の中に、例題ファイル「CylinderProject.zip」があることを確認します。次に、このファイルを展開して「CylinderProject」フォルダを作業フォルダ内に用意します。例題の手順では、この中の設定ファイルを流用します。 以下の説明では、この例題を最初に行うことも想定して、SimV-UsageInfo1の内容と同じ内容も、重複して説明しています。 例題フォルダ「CylinderProject」を用いた動作検証 †まず、SimVascular の SvSolver 動作確認のために、この例題をそのまま利用してみます。なおツールのウインドウの各部分の名称などは、Quick Guideの最初にある「GUI Layout」で確認してください。 SimVascularの起動 †インストール手順SimV-Install1により、Windows10 に導入済みの環境では、デスクトップ上の「SimVascular」ショートカットから起動します。なお、色々なツールが並ぶウインドウ「SimVascular 2020.04.06」と黒いログコンソール「mbilog」の2つが表示されますが、ログコンソールも必要です。 まず最初に、ウインドウやマウスの基本操作方法を確認します。右側の大きなパネルで「Welcome」タブを用います。表示されていない場合は、上部のメニューバーで「Help>Welcome」を選択して表示させます。英語の説明があり、「Welcome Tutorial」のボタンから進みます。必ず一通り見ておくことをお勧めします。 例題プロジェクト「CylinderProject」の利用 †メニューバーで「File>Open SV Project」として、「Choose Projct」パネルで作業フォルダ C:\WorkSV の中の例題プロジェクト「CylinderProject」を選択し、「フォルダーの選択」をします。少し待つと、右側の Display Area の、「Display」タブ内に、黒い背景に4つの解析モデルの円柱(cylinder)が表示されます。 左側の Data Manager の、「SV Data Manager」タブには、SimVascular で行う血流解析で利用する様々な情報が提示されます。一番上の「CylinderProject」がプロジェクトの名称です。 この例題では、「Image」項目には具体的な項目がなく、医用画像は利用されていないことになります。「Display」タブ内に4つの表示がありますが、左上赤色枠が「Axial断面(体に水平な体軸断面):断面の円形」、左下青色枠が「Coronal断面(正面から見た冠状断面):側面の矩形」、右上緑色枠が「Sagittal断面(側面から見た矢状断面):側面の矩形」、右下黄色枠が3次元表示の青色の円柱です。図示説明はここを参考にしてください。 これで 解析モデルの形状が確認できました。次に右下の「3D」表示の右上にマウスカーソルを移動すると、水色■ボタンが表示されるので押すと、大きな 3D 表示1つになります。同様に右上にマウスを持ってゆくと水色4分割ボタンがあるので、これで最初の表示に戻ります。 ここで 3D 表示1つにして、「SV Data Manager」タブの「Models」項目の「cylinder」のチェック外すと、青色の円柱が消えるので「Models / cylinder」が作られていることが分かります。 このプロジェクトの内容を確認するために、「Models / cylinder」のチェックを外して非表示にして、「Paths / cylinder」を表示すると、円柱の上下にポイントを持つ黄色のパスが見えます。次に「Segmentations / cylinder」を表示すると、円柱の上面・下面・中央断面の3つの輪郭が見えます。 ここで「Meshes / cylinder」は表示がなく、前の「SVProject」の場合も、プロジェクトのを読んだ状態では、メッシュは表示されず、特別に読込むか新たに作るようです。結局は、上から見てゆくと、「Paths>Segmentatios>Models」まで作られているようです。 このモデルを用いて、SimVascular で血流解析を行うためのソルバー「svSolver」の動作確認をします。インストール手順SimV-Install1により、Windows10 に導入済みとします。数値解析用のメッシュを作るので、「Meshes」項目の「cylinder」をダブルクリックします。 右側の Display Area が左右に分かれて、「SV Meshing」タブが表示されます。ここでは動作確認なので、設定はそのままで、右上の「Run Mesher」ボタンを押してメッシュを作ります。既に作られたメッシュがあるが新しく作るかを確認されるので、「Yes」で進めます。 少し時間がかかると確認されるので、「Yes」で進めます。少し待つとメッシュが作られ数値情報が表示されるので「OK」で進めます。「Models」の「cylinder」のチェックを外し、「Meshes」の「cylinder」のチェックを入れると、青色の網の目のメッシュが表示されます。 次に血流解析を行うので、「Simulations」項目を見ると、以下の4つの項目があり、それぞれの意味を調べてみました。まず「steady」は、定常解析つまり時間に依存しないある静的な状態を求める解析のことです。 次の「rcr」は、Simulation Guideにも書かれている通り、流出部分の境界条件の設定方法の1つで「RCR lumped parameters condition」と言われるものです。具体的には「three parameters: a proximal resistance [Rp], a capacitance [C], and a distal resistance [Rd]」のことで、「3つのパラメータ:近位抵抗Rp、静電容量C、および遠位抵抗Rd」による境界条件です。 steady:基本となる定常解析(流出部は単純な抵抗係数で設定) まず最初の「steady」をダブルクリックしチェックを入れます。右側の Display Area に「SV Simulations」タブが表示されます。下段の「Inlet and Outlet BCs」ボタンを押してみると、outlet の条件が Resistance で1つの値 1333 であることが分かります。 設定はそのままで、下段の「Create Files and Run Simulation」を開き「Create Data Files for Simulation」ボタンを押します。解析の入力データを作ったら、最後の「Run Simulation」ボタンを押します。SimVascular のウインドウの左下に、解析の進行が表示されます。エラーなく100%になって、シミュレーションジョブが終了したことが表示されたら、「OK」で完了です。 次に結果をParaViewを用いて可視化するので、解析のステップ情報を調べるために「Solver Paramerters」を押します。2行目 Number of Timesteps が最終ステップ 200 で、5行目 Number of Timesteps between Restarts が出力ステップ間隔 10 と分かります。 下段の「Convert Results」ボタンを押すと表示が変わります。ここではまず「Steps:」に変換するデータの情報として、上記の通り「Start:10・Stop:200・Increment:10」と入力します。次に変換した結果を保存する場所をするので、最後の「Convert…」ボタンを押します。 ここは表示の上の「Result Dir:」の場所「C:\WorkSV\CylinderProject\Simulations\steady」を選択して、「フォルダーの選択」をします。少し待つと、結果が変換できたことが表示されるので、「OK」で完了です。 これで、SimVascular での解析作業は終わりなので、ウインドウ上部のツールバーの「Save SV Projects」ボタンを押してプロジェクトの状態を保存してから、「Files>Exit」で確認には「Yes」で終了します。 解析結果を表示されるために、ParaView を起動します。先ほど指定した変換したデータの保存場所を「File>Open」で開きます。この中の「steady-converted-results」フォルダを開き、収束結果は+ボタンを展開し、最終結果の「all_results_00200.vtu」を選択して「OK」で開きます。 ParaViewの「Apply」ボタンで表示します。ここからの表示の方法は、ParaView の解説を参考にしてください。 次は最後の「steady_rcr_variable」のみチェックして、ダブルクリックします。「SV Simulations」タブが表示されます。下段の「Inlet and Outlet BCs」ボタンを押してみると、outlet の条件が RCR で3つの値「121 0.000015 1212」であることが分かります。 また「Wall Properties」を見ると、Typeが「Deformable(Varialbe)」で、材料特性値「Poisson Ratios:0.5・Shear Constant:0.8333・Density:1.0・Pressure:133300・E. Modulus:4000000」が設定されています。血管壁が弾性体として定義されています。 上記と同じ方法で、血流解析を実行してみます。今回は随分と時間がかかるようです。終了したら「Solver Paramerters」で解析ステップを確認すると「20・500・20」となります。この設定で解析結果を変換して、ParaView で可視化を試みます。今回の場合には、表示属性に「displacement(変形)」があり、上下の断面を固定にして、円筒が含む様子が確認できます。 【このページの閲覧数:総計:718 今日:1】 |